染職人 廣瀬雄一の寄せ小紋

精緻な中に粋さを求め格式とお洒落が同居した着物。

今回は、しっかりした伝統技術で今に生きる職人の、

新鮮で興味深いものづくりの感性が生んだ江戸小紋着尺をご紹介します。

 

江戸小紋のルーツは江戸時代、武士の正装である裃の柄から発展したと

言われています。

遠目には無地に見え、近づいてみると細やかな文様の柄が見える江戸小紋は

気が遠くなるほどの細かな作業を行う、伊勢型紙の彫り師と染職人の技術が

あってこそ生まれる手染めの逸品です。

 

伊勢型紙は柄が細かなものほど小さいサイズのものが多く、

染め職人が継ぎ目を狂いなく合わせる作業は根気と熟練が必要です。

 

代表的なものに「鮫小紋」「行儀」「角通し」がありますが、

こちらは色々な柄を詰め込んだ寄せ小紋。

円の中に「鮫」「行儀」「大小あられ」「紗綾型」「菊」「花籠目」「菱に二つ引き」

など色々な文様を閉じ込めた大変細かなデザインです。

 

牛首紬の更紗の染九寸帯を合わせて気軽な食事会に。

 

 

袋帯を合わせて、晴れやかなパーティーに。

 

 

この伝統的な江戸小紋を作っているのは江戸(東京)の落合にある

創業99年を迎える老舗の染工場、廣瀬染工場の4代目 廣瀬雄一さん。

この4代目の経歴はユニークで10歳から始めたウィンドサーフィンで

シドニーオリンピックの強化選手として世界で活躍。

次は日本の伝統文化である染め物を、若き感性と技術で世界に広めるべく

挑戦されている若き作家です。

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