【江戸小紋】

緻密で繊細な柄を一色のみで型染で染め上げた染め着尺で

柄は遠目に見ると無地のような極めて細かく小さな柄付けになっていて

細かく繊細であるほど難易度が高く職人技とされます。

 

 

江戸時代に武士の裃(かみしも)を柄染めしたことから始まり

格の高い柄は「定め小紋」と呼ばれていて、諸大名は「自藩の柄」と定めた柄を

他藩や庶民が使う事を禁じていたといいます。

 

〔小紋三役〕

【鮫】

点が扇状に集まって鮫の鱗のような模様になります。

堅い鮫の鱗を鎧に例え、魔除け・厄除けの意味を持ちます。

 

 

【行儀(ぎょうぎ)】

斜め45度に整然と並んだ点が特徴。

行儀良く並ぶさまと、45度が良いお辞儀の角度とされることから礼儀正しさ・礼を尽くすといった意味を持ちます。

 

【通し(とおし)】

正方形の点が縦横垂直に規則正しく連なった柄です。

 

 

小紋三役に「大小霰(だいしょうあられ)」、万筋などの「縞(しま)」の二つを加えると小紋五役となります。

この二柄は小紋三役に次ぐ格であるとされます。

 

 

庶民が武士と同じ柄を使用することが許されていなかった為

松竹梅や縁起の良い柄、日常親しんでいる器物など

遊び心のある図案も多く見られるようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

型紙は伊勢形紙が用いられ、熟練した技術者によって手彫りされています

伊勢型紙の彫師と微妙な色合いを生み出す染師の熟練を要する職人技の作品です。

 

 

2024年2月25日まで 絹や1階にて展示しております。